たゆたう僕ら。

友情結婚したゲイのその日常

友情結婚と子育てについて。

前回の記事の続きとなります。
頂いた質問から、もう一度ゆっくり考えてみました。

[前回の記事]
恋愛感情のない『友情結婚』について、改めて思うこと。 - たゆたう僕ら。


改めて質問の内容を一部引用させていただきます。

『子供ありきで恋愛を女性求めないのであればなんだろう』
『どちらかに不妊の原因があったらどうするのか?』

『子供という命を守り育てるのに友情はそぐわない気がする』

こちらの質問の内容より、
自分の思いを綴っていきたいと思います。

質問の内容から察するに、
『子ども(家族)が欲しいだけのために結婚している』
ように感じられて、違和感を感じられているのかなと思うのです。

『子供ありきで女性に恋愛を求めないのであればなんだろうか』

僕は妻に対して恋愛感情はないですし、
妻は僕に対して恋愛感情を抱いていません。
恋愛感情だけでなく、性的な感情もお互いに少しもありません。

お互いに、恋愛感情を相手に向けられないし、
向けられたいとも思わない。
そういう価値観が合った二人が結婚して夫婦になった。
それが僕たちです。

それでも、そこには『愛』があります。
僕にとって妻も、子どももかけがえのない存在ですし、
家族の幸せが、僕自身の幸せであって、
失ったら本当に悲しくて辛い気持ちになると思います。

はじめこそ、お互いに『子どもが欲しい』とか、
『親を安心させるため』とか、
世間体や都合で結婚を考えいましたが、
結婚して、生活を共に過ごしていると、
『子供ありきの存在』というだけのものではないことに気づきました。

『どちらかに不妊の原因があったらどうするのか?』

結婚前に、ブライダルチェックで、
妊娠するうえで身体の問題がないかを確認した上で、
相手に結果を公開し、結婚をしているので、
不妊の可能性は想定していなかったんですよね。

結婚後、子どもが作りづらい身体だったことが
後からわかったんですよ。
その時に、今後どうするか話し合いになったことがあります。

元はといえば、子どもが欲しいから結婚をした。
でも、それが難しいとわかったいま、
『離婚するかどうか』を考えることになる。

でも、僕らの出した答えは、
「たとえ子どもができなくても離れ離れにはなりたくなかった」

結果的に、ご縁があって無事に子どもは産まれましたが、
たとえ子供がいなくても二人で共に生きていたと思います。

『子供という命を守り育てるのに友情はそぐわない気がする』

こちらに関しては、僕はそうは思わなくて、
たとえ自分の子どもでなくても、大事に育てている人はたくさんいます。
(悲しいことに、自分の子どもでも大切にできない人もいますが…)

保育園の先生も、学校の先生も、
八百屋の店員さんも、道ですれ違う全く知らない人も、
本当にいろいろな人に、助けられ、支えられています。

子どもは、その親だけでなく、
たくさんの人に支えられて育っていくものなのだと、
自分に子どもができて、ひしひしと感じました。

だから、友情では子どもを守り育てられないとは思わず、
むしろ、どんな存在であっても、
子どものことを思えば育てることはできるのだと思います。

友情結婚という、珍しい結婚の形ではありますが、
それで幸せになれる人がいるのであれば、
そういう結婚もあるということを知っておくことはアリなんじゃないかなと思います。

いろいろな結婚の形がありますが、
どういう結婚が正しいとか、間違っているとかではなく、
本人たちがそれで幸せなら、
それで良いんじゃないかな、と思うのです。