たゆたう僕ら。

友情結婚したゲイのその日常

保育園に入れない問題に直面したり

ついに来たのか。この問題が。

はてな匿名ダイアリーで書かれたブログで話題となり、
2016年の流行語でトップ10にランクインしたこの言葉。

[外部リンク]保育園落ちた日本死ね!!!

当時、僕に子どもがいませんでしたが、
(それどころか結婚もしていなかった)
その時に、この記事を読んでいた記憶があります。

あの時は、ただのニュースの一部として見ていましたが、
いざ、自分が同じ状況に立たされると、
「なるほど、こういう事か…」と。

言葉は過激ですが、
そう叫んでしまう気持ちもわかってしまうのです。

数年ぶりに、改めてこの記事を読むと、
一行読むごとに首を大きく縦に振ってしまう自分がいます。
本当に秀逸な文章だと思います。
(あれから6年経っているのに、改善されていってどういうことなの…)


結婚時は夫婦共働きでしたが、
今は僕が働き、妻が専業主婦として子育てをしています。

現在抱えている問題をざっくり言うと、

『子どもが生まれました。
でも、保育園は定員いっぱいで預けられません』

これだけの事なんです。
…が、これがどれだけとんでもない事か。

保育園に入れない以上、
誰かが子どもの世話をしなくてはいけない。
…となると、当然、
片方が仕事を辞めなくてはいけない状況になります。

このご時世、共働きをする家庭がほとんどだと思います。
(調べてみると、共働き世帯は70%弱みたいです)
よっぽど収入が多くない限り、1人の収入では厳しいですからね。

そんな中、共働きができなくなり、
一馬力で配偶者と子どもの生活費を賄う必要が出てきます。
この時点で結構恐ろしい状況。
(僕も、まぁまぁ無理して働いていますよ)

保育園に入るには『優先順位』というものがあります。
いわゆる『点数』というものですね。
『点数が高い人』つまり『より保育園が必要な人』から
入れるシステムになっています。

保育園に入りたいのであれば、
点数を上げる事が重要になってくるのですが、
点数を上げる一つの要素として、
『夫婦がフルタイムで働いている』というものがあります。

ここで「ん?」ってなりますよね。

だって『共働きをしたいから子供を保育園に預けたい』のに、
『子どもを預けるには共働きである必要がある』んですよ。

卵が先か、鶏が先かみたいな。
この時点で「いや、無理でしょ」ってなるわけです。

じゃあ、子どもは自分たちの親に見てもらおう。
…という事も一瞬考えました。

でも、このご時世、60代、70代でも働いている人が多いです。
(2020年就業率は、60~64歳で約71%、65~69歳で約50%)
例に漏れず僕の親も、妻の親も就業しています。
仕事を辞めさせるわけにもいかないので、この選択肢も厳しい。

みんながみんな、
自分たちが生きていくのに精一杯なんですよね。

『このご時世』が『子育て』と、
かみ合っていない世の中なんです。

ちょっと考えたら『子どもを作る』ことが、
どれだけ大変なことか、分かってしまうんですよね。
そりゃあ、少子化も進んでしまうわけだ…。

ついでに言うと、妻は30代という事もあって、
仕事も板につき、そこそこ評価がされだした頃で、
ある程度現場で戦力として働いていたのに、
『保育園に入れなかったから』
…という理由だけで、
キャリアを全部捨てることになるっていうのも、
それもそれで、ものすごい世の中ですよね…。

何度も妻と話し合い、何度も役所に相談に行きました。
そこで出た答えは『保育園に入れるのを諦める』でした。

実はそこにたどり着くまでに、
別居して保育園のある遠くの県まで引っ越すとか、
ひとり親にして点数を上げるために、書面上離婚するとか、
とんでもない案がいくつも出てたのはまた別のお話。

実際は、0歳児の受け入れが極端に少ないので、
保育園に入れない状態になっているのですが、
子どもが1歳以上になれば、
保育園入園もそれなりに現実的になってきます。

でも、それはそれで、『保育料以上をどう稼ぐか』とか、
『送り迎えはどうするのか』などの問題が出てくるのです。
そうなると、無償になる3歳からが現実的なのかなと。
でも、2人目を考えると…うーん悩ましい。

最終的に、今の状態で何とか生き延びるのが好手だよね。
というところで落ち着きました。

若干暗い話が続いてしまいましたが、
こんな状況でも、二人で「ヤバいよねー」と言いながら、
笑いながら過ごしています。

子どもの笑顔を見ながら、
なんだかんだ、二人して貧乏生活を楽んで、
「私たちめっちゃ贅沢してるねー」なんて言いながら、
月に1回くらい、お酒で乾杯しながらピザを食べてると、
こんな生活も悪くないんじゃないかな。
とも思うのです。

手に入らないものがたくさんあっても、
思い通りにいかないことがたくさんあっても、
小さな幸せを見つけて生きていけるのが、
「さとり世代」の強さなのかもしれません。